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同世代の僕らがmy hair is badに表現して欲しいこと

今邦楽ロックで最重要バンドの一つmy hair is bad 通称マイヘア。
20代前半のリアルを写すこのバンドの歌詞が同世代の僕らにとにかく刺さる。
聴いたこと無い方、ロックに興味が無い、20代でもないしという方も是非下の最新曲の動画を見て下さい。


My Hair is Bad - 戦争を知らない大人たち (Official Video)

彼らの歌詞は等身大の歌詞と簡単には括れない。

いつも思っているが言語化出来ない思いを
代わりに歌い上げてくれるのが等身大のシンガーソングライターなら
マイヘアは少し違っている。

心の奥底で思っているけども覆い隠したい後ろめたい気持ち、その場を取り繕うために飲み込んだ気持ちを剥き出しに歌う。

それは言うなれば等身大よりも少し小さい、自分すらも気づいていない実像を歌い上げている。

なぜ、そんな真の実像を写す曲が、今支持されているのか。心に刺さるのか。

ニュースを見れば、世界全体が閉塞感に包まれている(ような気にさせる報道で溢れている)。世界中で右派の移民排斥を謳うようなポピュリズムが台頭している。不安に駆り立てられる事で同じ共同体の結びつきを強固に保とうとする気持ちはよく分かる。だけど、どこかで気づいている。その閉鎖環境ではいつかは止まってしまう日がくるんじゃないかという事も、同じ共同体にいるのが単なる偶然であるし事も。

だから、せめてもっとミクロな共同体、友人や家族は信じ合える関係でいたいと思う。
でも、ふと考えてみるとそんな中でも腹を探りながら、取り繕いながら関係を続けている事に気づく。

今年、立て続けに芸能人の不倫ニュースが報道されていた。恰好のバッシング対象となってたが、周りを見てみると同じように、許されない恋愛に踏み入れている人はいる。バレるリスクは芸能人よりも低い分、とんでもない数がいるんじゃないかと思う。交わしたはずの永遠の契りの軽さに驚く。
今の自分には不倫する気持ちが分からない。だけど、今は分からないその感覚に溺れてしまうのではないかと、心の奥底に生じた気泡のような疑念を何とか表面に浮かばせないようにしようともしてしまう。

まだほとんどが結婚もしていない20代前半の僕らはせめて、最も近しい恋人とだけは分かりたい願う。だけど、100%信じきることは出来ない。全てを知る事は出来ないし、知らないことで円滑にいくこともあるから。

そうして、誰とも分かり合えないんじゃないかと思ってしまうし、結局自分が一番大事なんだと気づく。

見せ合うんじゃなくて隠し合って
–彼氏として

 

本当のことなんか聞きたくないんだ
作り笑いが作る幸せだってあんだろう
–優しさの行方

 

騙されていたいのさ
このままずっと
剥がされて痛いのは
誰より自分が可愛いからさ
–優しさの行方

 


My Hair is Bad - 優しさの行方 Music Video

青春というには少し歳を取り過ぎていて、将来を考えながら生き、恋愛をしなければいけない僕らは埋められない孤独感に辿り着く。

マイヘアはそんな孤独感に一石を投じてくれる。
そんなリアルをストレートに吐き出してくれるから。
全てを肯定するように吐き出してくれるから。
騙されていいからせめて曲の中だけでは自分を騙さずに吐き出してくれるから。

そうやって全てをさらけ出してくれるから
僕らは一人ではないと分かる。
誰とも分かり合えないと分かることで
一人では無いと分かる。

それは諦めだろうか?

マイヘアの曲は自分達に変わらなくてもいいと伝えるのではないと思う。

僕ら最高速でいつだって
走れるわけじゃないんだって
いつかは止まってしまう日が来る
それでも僕は良しとして
靴紐を固く結ぶ
前を見たあの日
–アフターアワー


アフターアワー予告編 【My Hair is Bad】

20代前半、ゆとり世代の僕ら
やっと少しだけ自分自身や社会を分かるようになってきた。

今の実像を理解して始めて、歩き始められる。マイヘアの曲は全てを肯定して、もがきながら考えながら進むことを教えてくれる。

そして、もう少し歳を取った時、マイヘアが吐き出してくれる思いと自分の思いを照らし合わせながら、自分の変化を受け入れたいと思う。

 

僕は髪を切った。ずっと同じ髪型だった僕が生まれて初めて美容師さんに写真を見せてこの髪型にして下さいと言った。自分にマイヘアのギターボーカル椎木さんを投影することで、もがくことから逃げないように、自分の中のあらゆる感情を肯定出来るようにと。